自立活動で使う教材とは？目的別活用ガイド

特別支援学校や特別支援学級では、障害のある子どもたちが社会の一員として自立し、 日常生活や学習に必要な力を身に付けられるよう 「自立活動」という特別な指導領域が設けられています。
自立活動は「知識・技能」「思考・判断・表現」「学びに向かう力・人間性など」の３つの資質・能力をバランスよく育てることを目的にしており、 子どもの障害の種類や程度に応じて個別に指導内容を設計する点が特徴です。

自立活動の内容は以下の６区分・27項目からなり、児童生徒の実態に合わせて必要な項目を選んで指導します。

• ① 健康の保持
• ② 心理的な安定
• ③ 人間関係の形成
• ④ 環境の把握
• ⑤ 身体の動き
• ⑥ コミュニケーション

自立活動とは何か – ねらいと重要性

特別支援教育における自立活動の位置づけ

自立活動は、障害による困難を主体的に克服しようとする力を育てることを目的としています。 「自立＝一人でできるようになる」ではなく、「自分らしく生きる力を身につける」ことが本質です。

学習指導要領で示される自立活動の領域（6区分・27項目）

学習指導要領では、発達段階に応じた支援内容が具体的に示されています。 教師はこの枠組みをもとに、各児童の発達や障害特性に合った教材・活動を計画します。

自立活動で育む力と教材の役割

教材は、子どもの「できた！」を引き出す重要なツールです。 視覚・聴覚・感覚など、児童の得意なチャネルを活かして理解を助けたり、行動の見通しを持たせたりする役割があります。

自立活動で用いる教材の種類と特徴

① ビジュアルスケジュール・手順書（生活のリズム支援）

写真やイラストで活動の順番を示す「ビジュアルスケジュール」は、時間の見通しを持たせ、安心感を与える教材です。 朝の会や下校準備など、日課の見通し支援に有効です。

② ワーキングメモリ教材・学習プリント（認知・学習面の支援）

短期記憶や作業記憶を鍛えるプリント教材は、集中力や作業の持続を促す効果があります。 「まなとも広場」では、自立活動のための記憶・順序・形認識トレーニング教材も提供しています。

③ 感覚統合・運動スキル教材（感覚・運動面の支援）

ボール・バランスボード・触覚遊び教材などを使い、身体の使い方を学ぶ教材です。 触覚過敏や身体バランスに課題がある児童の「心地よい刺激」体験にもなります。

④ ソーシャルスキルトレーニング教材（人間関係・コミュニケーション支援）

カードやイラストを用いたSST教材は、「順番を待つ」「気持ちを伝える」など社会的スキルを練習する際に役立ちます。

教材選びのポイントと実践上のコツ

子どもの実態に合わせた教材選択

同じ教材でも、子どもの発達段階や障害特性によって理解の仕方が異なります。 「視覚支援が効果的な子」「動作模倣が得意な子」など、個別の強みに合わせましょう。

興味を引き自発的参加を促す工夫

ゲーム性・達成感・色彩・キャラクターなどを活かして、学習への意欲を高める仕掛けを作りましょう。

学校・家庭で連携できる教材活用

学校での活動内容を保護者に共有し、家庭での学びや生活習慣づくりにもつなげると効果が高まります。

自立活動教材の活用事例【小学部の例】

例① 朝の会での視覚支援（スケジュールカードの利用）

「今から何をするのか」を見える化することで、安心して活動に移れるようになります。

例② 個別課題での基礎学習プリント活用

集中力を養うために、少しずつ難易度を上げたプリントを繰り返し使うことで、 達成感と持続力を育てます。

例③ 感覚遊びでの道具利用

砂・水・粘土・バランスボードなど、五感を刺激する活動で心身の調整力を高めます。

効果を高めるための教材活用のポイント

繰り返しと段階的な難易度設定

一度の成功よりも、「できた！」を積み重ねる経験が自己効力感を高めます。

教材と指導計画の関連づけ

教材はあくまで手段です。個別の指導計画（IEP）に沿って、 「何をねらって使うのか」を明確にすることが重要です。

無料で利用できる教材リソースの紹介

たとえば「まなとも広場」では、自立活動教材を含む 2,500点以上の特別支援教材を7日間無料で使い放題で体験できます。

まとめ – 適切な教材で自立活動の効果を最大化しよう

自立活動の教材は、子どもの特性や成長段階に合わせて選ぶことが大切です。
適切な教材は、児童の「できた！」という成功体験を積み重ね、 生活スキルや社会性の育成に直結します。

教材選びに迷ったら、特別支援専門プラットフォームである まなとも広場を活用してみてください。
AIが子どもの実態に合わせた教材を提案し、授業準備の時間を大幅に削減できます。

▶ 自立活動全体の考え方や他の教材・実践例も知りたい方は
「自立活動教材と実践の総まとめ｜教材選びから指導のコツまで」もあわせてご覧ください。